【鳴潮】Wuthering Waves Part756

634 ：名無しの漂泊者@転載禁止【レベル:55】 (ﾌﾟｯﾁｮｲ 6x.U-gi5b)：2025/09/09(火) 00:25:54.52 ID:/DyKYfpE

蝉の声と雷雨、無邪気な夕日と、背伸びした午後。そんな夏の白昼夢を私は机に頬を寄せながら見ていました。そして揺らめく意識の中で握る筆が、重たげな空気を文字とともに、この手紙に残していったのです。
セブン・ヒルズの夏が灼熱の日差しであるなら、今州の夏はまるでひそやかな夜風のように感じられます。高らかな咆哮も、ほどばしる汗もなく、あるのはただ揺れ動く木陰と、波に沈む夕日を見守る後ろ姿だけです。
どうか、鳴式を追い大海原へ向かう漂泊者さんに、残照に染まる夜風が祝福を運んでくれますよう、私は静かに願っています。