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原神総合スレPart13231 【争わないで🫲🙂🫱】

690 :名無しの旅人@転載禁止 (ガッサ QO29-UxIX) (d):2024/07/23(火) 10:57:18.11 ID:C1GQgbBI
>>489
ハラジもレシート好きだよな🤗


志璇の手紙
探検隊の皆さんへ

何の説明もせずに去ってしまい、本当にすみません。
探検隊の先輩方には長い間お世話になりました。しかし、これからは皆さんと一緒に仕事することができなくなります。

瑾武姉さん、どうか私の身勝手に怒ったり悲しんだりしないでください。あなたはこれまで、運命に屈しない未熟な若き冒険者たちを見てきたと思います。
そして、私はその未熟者のうちの一人に過ぎません。私の旅立ちが、あなたに悩みではなく、いい思い出だけを残すことを祈っています。
もし私に家族がいたとしたら、あなたは私にとってもっとも親しい家族だったでしょう…あなたに話したいことはたくさんありますが、今のところ、私が残せる成果は地図にある適当な地名だけです。
入念に調査をし、よく考えてもっといい響きの名前を付けたかったのですが、それができずとても悔しいです。
いずれにせよ、ずっと面倒を見てくれたことを心から感謝しています。
ですが、永遠に面倒を見てもらうよりも、一人で旅に出たほうが自分にとって有益だと思ったのです。

ヘディーヴさん、私のわがままを許してください。あなたにはあなたなりの考えがあることを理解していますし、おそらくあなたの言う通り、層岩巨淵に潜む秘密は想像を絶するような、常人には手の届かないものだらけなのでしょう。「神の目」がないから、こんなにも苦労しているだけかもしれませんが…
それでも私は気になるのです。
もしもレーナルトやスタンレー、ロアルドのような、名だたる冒険者たちが私と同じ光景を見たら…深邃なるいにしえの岩石広間、
溶岩のように湧き出る暗紫色の泥、空中に浮かぶ透き通る青い晶石、破損した石板に刻まれた古き地図、他にも摩訶不思議なさまざまな光景を目の当たりにした時…偉大なる冒険者たちは、危険を恐れて諦めるでしょうか。
それとも私と同じように無謀な行動を取り、命を犠牲にしてでも世界の謎を追い求めるでしょうか?
私と同じくただの人であるヘディーヴさんはこのような状況にぶつかった時、学者としてどんな選択をしますか?

クレイトポン、今まで信用していなかったこと、迷惑をかけてしまったことを謝らせてください。宝盗団出身のあなたのことが嫌いなわけではありません。
あなたのそのソワソワとした不審な振る舞い、いつもコソコソと怪しげな顔しているところ、みんなのために飲み物を用意する時も不衛生で、瑾武姉さんにも失礼な態度を取っていましたよね。
鉱区では総務司の安全規定を無視し、あらゆる警告を気にも留めていませんでした…ただ、そのような欠点があったとしても、関係ありません。あなたとは、もっと早く知り合っていたかったです。

沐寧兄さん、申し訳ありません。私が職務のために戻ってくることはありません。総務司の任のために尽力してくれてありがとうございます。
もしあなたがいなかったら、私は層岩巨淵に入ることさえできなかったでしょう。私が辞めた後、総務司からの正式な許可が下りるはずです。
機会があればまたごちそうしますから、私のためにその許可は保留しておいてください。忘れないでくださいね!

旅人先輩、旅の間ずっと一緒にいてくれたこと、教えてくれたこと、危険な状況に遭遇した時に助けてくれたこと感謝しています。どうお返ししたらいいのか分からず…何も渡せないのが残念です。
元素力を操れるあなたは神に選ばれた者です。そこで、とても気になることがあります。
もしかしたら、一生その答えを得られないかもしれませんが聞かせてください。あなたは私たち常人を、どのように見ているのでしょうか?

英雄と夜叉が岩王帝君と共に戦い、砕けた岩で山を作り、石を投げて海を創造した古代において、神々が目を留めることすらしない、
私たちみたいなちっぽけな人間は、いったいどのような存在なのでしょう?
常人の愛と憎しみ、幸せと苦しみ、功績、争いや絆…これらはすべて、神々が見向きもしない光景なのでしょうか?
古代の神々の存在、常人には説明のつかない風景は、本当に私たちの勇気では乗り越えられない禁断の地なのでしょうか?

岩王帝君が逝去された今、こんなことを言うのは失礼かもしれませんが…
しかし、選ばれし者たちとは対照的に、神の目の届かないところで生まれた私たちが、心から夢を持ち続け、貧しくても小さな志を持ち、忙しない日々を送る…忘れられたくないから、少しでも役に立ちたいと努力したり、毎日コツコツと仕事をこなしたりするのは…どれも無意味なことなのでしょうか?
断崖絶壁に立って作業する薬草採り、落盤という危険と隣り合わせの中で毎日働く鉱夫たち、建物何階分もある巨大な船に釘を一本一本打ち込む作業員…もし、そのような人たちの苦労が、平凡なもので、記憶するに値しないものとされるなら、私たちの願いや尊厳に優劣をつける神々に、疑問を感じずにはいられません。

そんな疑問を胸に抱きながら、私は先輩の後を追って、常人の限界に挑戦し、層岩巨淵の奥深くにある不安や危険に身を投じます。「征服」や「探索」といった大仰な言葉は使いません。
ただ、せめて自分が層岩巨淵の地図を描き、それを編纂できたらと思っています。私が行った場所や層岩巨淵の様々な風景に、平凡な者の名前、私の名前を付けたいのです。
不器用な私ですが、これが後に続く者たちを鼓舞する唯一の方法だと信じています。神に選ばれなかった人間が、どこまで行けるのか、どんな物語を残せるのかを、世に示すことができるのです。

先輩、どうか心配しないでください。私の旅はまだ始まったばかりです。一息ついたら、さらに奥へ奥へと進んでいきます。道を切り開いてくれてありがとうございました。私は、力が尽きるまで、層岩巨淵に挑戦し続けます。
探検隊の皆さんも、どうかご武運を。
近い将来、旅の道中で再びお会いできることを楽しみにしています。

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