ウマ娘の大阪ライブちゃんのぷにぷに当落発表

805 ：【ぷにん法帖Lv.134 ≪あと15時間39分以内に2回ｶｷｺでLvUP≫】 (ﾌﾟｯﾁｮｲ 2q4r-sDCc)：2024/02/14(水) 22:12:40.66 ID:Dcp5NuvI

ファル子のこのコピペすき


　3兆人のファンはすっかり居なくなってしまいました。エイプリルフールにファルコンが見た夢。視界を埋め尽くす程のファンは、露と消えてしまったのです。
「……そっか、でも、そうだよね。あんなに大勢の人、居るわけないもんね」
　目が覚めたファルコンは呟きます。春の日差しは柔らかく降り注ぎ、ふと気を抜けばまた眠ってしまいそうな温もりを与えてくれていました。
　ファルコンは両腕を伸ばして、大きく伸びをします。すると、ぱさりと何かが地面に落下しました。
「スーツ……？」
　きょとんと辺りを見回しますが、付近には誰も居ません。そういえばそもそもここはどこだったか、ぼんやりと考え始めました。
　落ちていたスーツを拾い上げ、ぱたぱたと埃を叩いてからデスクに載せて、ここがトレーナー室だったことに気づきました。
　どうやら、ミーティング前にトレーナー室でのんびりしていた所、うっかり眠ってしまったようでした。とすると、自分に掛かっていたあのスーツは────

「あ、おはよう。ぐっすり寝てたみたいだから起こすのも良くないかなって……体調とか大丈夫？」

　白いワイシャツにベストを着た、トレーナーが部屋へと入ってきました。腕にはいくつかファイルを抱えています。
　時計を見ると、ミーティングを予定していた時間を1時間半ほどオーバーしているのがわかります。
　ファルコンはトレーナーへの謝罪もそこそこに、本来の予定であったミーティングを始めようと声を掛けました。
　トレーナーは訝しみました。妙にテンションの高いファルコンは何かを隠しているのではないか？もし怪我や体調不良なら大変です。しかし、実際はそうでは無かったのです。

　夢の中で出会った3兆人のファンは消えてしまいました。夢は夢で、本当のファルコンのファンはそんなに現実離れした数ではありません。
　でも、夢であれあのファンは本当にファルコンが好きなファンだったのです。目が覚めた後、ファルコンは少し喪失感を覚えていました。
　そんな時に現れたトレーナー、彼は現実に存在する「ファン1号」です。彼を見た瞬間、ファルコンは嬉しい気持ちを覚えてしまったのです。
　夢の中で何が起きたのか、トレーナーは知りません。でも、ファル子が柔らかな微笑みを浮かべながらこちらを見つめて心配ないよと言ったので、とりあえずはいいかなと思いました。
　その日のファル子のトレーナー室は、いつもより少しだけ活気があったようです。